今の仕事で満足していますか?キャリアの転機の考え方

10 Fields Factory株式会社CEO 市川裕 × 10 Fields Factory株式会社CHO 西山香織

ライフキャリア著者 千葉智之 × フリーアナウンサー 岸則子


市川

やっぱりどうしても女性の場合はね出産とかご結婚というのがあった時にどうしても仕事に影響してしまう。戻ってくるステージを作っていかないといけないなと。

千葉

今の会社で自分でキャリア資産が貯まらないと思ったら転職する。プライベートってほとんど何もありませんみたいに言う人もいて。定年を迎えると何していいか分からなくなっちゃうんですよ。

キャリアデザインTVをご覧のみなさん今日もよろしくお願いします、いつも西山さんがMCをされているんですが、今日はそこを乗っ取って私、岸則子が担当させていただきます。よろしくお願いします。さて、今日の1番の柱というのが今年4月に発売されましたこちらの「ライフキャリア」という本なんですけれども、この「ライフキャリア」を書かれました千葉智之さんにお越しいただいてます。どうぞよろしくお願いします。

千葉

よろしくお願いします。

そして10 Fields FactoryのCEO市川裕さん、10 Fields Factory株式会社CHO最高人事責任者の西山香織さんも一緒にお届けしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

市川・西山

お願いします。


興味があることは、幅広くやっていった方がいい

今回は20代~30代のキャリアの中でも初心者と言われるみなさんにお話をしていきたいなという風に思っています。20代~30代のキャリアの初期の人たちにとっては、どんな想いで仕事に取り組んで、そしてキャリアを作っていったらいいのかというこの視点でお話を伺っていきます。千葉さんにとっても20代~30代、キャリアの初期の時代があったと思うんですけれども、この時代振り返ってみるとどんな想いで仕事に取り組んでいたという風に思い出せますか?

千葉

そんな想いとかなかったです。とりあえず社会人にならなきゃ。運良く良い会社に入れたのでそこでゴールみたいな感じ。

やったー!入ったー!

千葉

とりあえず良かったな。その当時は30年前なので割と一生いてもおかしくないよっていう時代だったので、この会社にずっといるのかなみたいな感じで1番最初は。

でも入ってみて会社に、イメージしていたものと、実際働いてみるとギャップはありました?

千葉

あんまりイメージもしてなかったので、ギャップ自体はなかったんですけど、やっぱり逆に言うと何かしたい、これがしたいって入ったわけではなかったので、どちらかというと会社とか人が良かったのでちょっと早々に飽きてしまった。あまり良くないですけど、5年くらい経ったときに、一生やるのは辛いかなと思い始め、転職とかかなって考えがよぎり始めるんですけど。なまじ良い会社なので、だけどなかなかなっていうのをぐるぐるしていました。

何年間くらいぐるぐるしていたんですか?

千葉

結構ね3、4年してました。

結構長い。地球1周くらい。

市川

どういう基準?

千葉

すごい堂々巡りしていたんですよ。仕事飽きちゃったな、転職かな?その当時はネットが少し始まっていたのでネットで検索してもちょっとピンと来ないな。なまじ良い会社なので、ここに転職ないかなとなって、またしばらくすると飽きてしまってぐるぐるをずっとやっていた感じです。

これまでの人生を振り返ると1番辛い時期ということですか?

千葉

燻ってましたね。

逆にどうですか?西山さんはちょうど20代なので。振り返る私たちの世代ということになりますけれども。今現在、どういう気持ちで仕事に取り組んでますか?

西山

今年28歳の年になるんですけれども、女性は30歳が何かの節目で、結婚、出産というのを色々考える年に来れば来るほど正直漠然とした不安というものは持つようになったなということがまず1つあります。というのも、私の場合は25歳まではあんまり将来のことも気にせず、仕事に一球入魂でやっていたんですけれども、やっぱり25歳から26歳になったタイミングで、四捨五入して30歳みたいな時に将来のキャリア、女性としての働き方というところをすごく考えるようになって今は2、3年目みたいなところなので。今回、千葉さんであったりとか、岸さんとか市川さんがいらっしゃるのでそういったところの今後の女性の働き方であったりと、自分のキャリアみたいなところをご相談できればなと思ってますね。

政府も女性を活躍させようということで、一生懸命動いてはいますよね。なかなかそこがマッチングするのが難しいところがあるのが現状ではありますけれども。市川さんどうですか?経営者という立場からして。男性、女性それぞれ採用されていて、ポテンシャルがある方、性別関係なくという感じしません?

市川

そうですね。ポテンシャル考えると女性の方が優秀な方が多いんじゃないかなという。逆男女差別ではないですけど。やっぱりどうしても女性の場合は出産とかご結婚というのがあったときに、仕事にどうしても影響してしまうというのは仕方ないことなんですけど、戻ってくるステージを会社としてしっかり作っていかないといけないなと。退職して子育てをすることで、パワーアップされる方の方が多いので。でもその体制が整ってない会社ってすごく多いんじゃないかなと思うんですけど。今、不安という風に言ってましたけど、自分でその体制作ってますからね。

私は一利用者として例えばレストランとかネイルとかマツエクもそうなんですけど、お客さんとしてお店に行ったときに、対応して下さる方々って本当に年齢層様々で、毎回同じところもあれば、違う年齢層の方が来られるとこもあるんですけれども。若い方に出会ったときは若い方の意見を聞けるという良いところがあったり、私と同じ世代、もしくはちょっと上の世代だと自分の悩みを言ったときに聞いてもらったりとか。ちょっといただいた一言が心に刺さったりとか。世代によって本当に様々な良いところがあるので、人生の経験を積まれた方ってどうでしょう千葉さん、その人も魅力に繋がっていくんじゃないかと思うんですけど。

千葉

それはやっぱり、のりちゃんとかはかなりレアなキャリアじゃないですか?アナウンサーでアメリカ行って英語もやって。たまに落語やるんで見に来てくださいというお知らせが来るんですよ。僕は行ったことがあるし、あるときは演者として演劇に出るので見に来てくださいと下北沢の小劇場へ行ったことがあるんですけど。どれだけ興味があるんだっていう。でもやっぱりこれだけ色々な経験があると、組み合わせた時に多分オリジナリティが高いんですよ。アナウンサーだけの人よりも。落語も演技もできてかつ英語もできるってめちゃくちゃ幅が広いじゃないですか。だから興味があることは、幅広くやっていった方がいい。

それがその人の財産になっていく。

千葉

何かを狙ってやるというよりも、好きなことをやっていて振り返ると財産が増えてたっていう方が良いと思うので。まさにそうじゃないかなと。

特に女性は会社=キャリアだと考え辛い

こういうお話を聞くとどうですか?西山さんも感じるところはありますか?

西山

そうですね。特に私の今の悩みというところでいうと、女性としてのロールモデルであったりとか、目指すべき方みたいなところが社会というのはまだ女性の働き方がしっかり受け皿が出来ていないことがあるので。私もやっぱり誰かを手本であったりとか、こういう方がいいなと思う方に憧れて私も頑張るタイプなんですけど。そういった方がいない社会となった時に自分が目指すべき方向性だったりとか、そういったのを誰に相談したら良いのかというところは女性の方は悩むんじゃないかと。例えば女性特有の色々な悩みも持っているわけなので、それを誰に相談したら良いのかというところも悩んでしまう方が今回多分多いのではないかなというのもありますので。

そう考えると会社は女性、男性だけじゃなくて、世代も様々。そして10 Fields Factoryに関しては国籍も様々。経験値も本当に様々ということで考えると、その部署とかグループを超えて意見交換することによってその社員1人1人の人生のプラスにもなっていきそうなそんな印象を市川さん受けるんですけど、いかがですか?

市川

そうですね。そういった意味ではうちの会社は複合的に絡んでると思うんですけど。僕も1社目に入ったときに、先輩の方や上司の方が社会における答えを持ってるものだと思って社会に入ったんですけど。各世代みんな悩んでるというか。しかも、時代によって答えの出し方も違うというなかでいうと「ライフキャリア」というのが20代、30代のこれからどう歩むべきかっていう答え、転職に関しても転職すべきかどうかってところもねこういった中に入ってるんじゃないかなとすごく感じますね。

今回のこの「ライフキャリア」の本の中にも2つの柱でワークキャリアと自分のプライベートというところ、2つを融合させることによって楽しみがどんどん広がっていくよということが提案されていました。女性が働くというところで考えても、ワークキャリアだけじゃなくて反対部分になる、子育て、介護、その他もろもろの大変なところ、女性ならではの特有の悩みもあると思います。こういったこと並行して色々な方にお話を聞いていくことによってどんどん上げていく。それができる可能性というのは千葉さんいかがでしょう?

千葉

今言ってもらったように特に女性は会社=キャリアだと考え辛いと思う。出産とかライフイベントが多かったりするので。その時にプライベートも含めてライフキャリアだよっていう風に広げるとより考えやすいし、考え方も変わるんじゃないかと思いますので。ぜひ視野を広げて欲しいですし、誰に相談していいか分からないみたいなのもあったじゃないですか?バリキャリの人みたいなあんな風にはなれないしとか、逆にもっと働きたい、色々な意見があるんですけど1人の人が全部備えてるロールモデルは多分いないと思うんですよ。男性もそうでスーパーマンみたいな人はあんまいないじゃないですか。だから色々な人の自分がいいなと思うところを良いところ取りすればいいと思うんですよ。例えばフレームワークに当てはめたときに、「自分だったらこうしたいな、けど今ここが足りないからこれを今の会社の中で蓄えていこう」とか「プライベートでやってみよう」みたいなのを考えていくと、最終的には色々取り入れて組み合わさってるんだけど、自分のオリジナルになるんじゃないかと思うので。諦めなくていいんじゃないかな。

「ライフキャリア」的に20代、30代は今の会社に居続けるべきなのか、転職するべきなのか

市川

彼女の場合、自分が先頭切って行っちゃってるので。だからどこに進むべきか悩むときがあるんでしょ?自分がロールモデルになろうとしているので。ともに質問したいんだけど、20代、30代は今の会社に居続けるべきなのか、転職するのかを悩んでいらっしゃる方は結構いらっしゃると思うんですけど、「ライフキャリア」的にはどう考えるべきなのかな?

千葉

「ライフキャリア」的には今の会社でもうこれ以上自分のキャリア資産が貯まらないと思ったら転職すれば良い。ビジネス創造資産がこの会社では身に付けきったと思ったら次へ行けばいいと思うんですけど。まだ自分が経験していない他の部署に行ったら身に付けられるかも、1個上のステージに行ったらマネジメントスキルとか違うスキルが身に付くかもという。まだキャリア資産が身に付けられるんだったらぜひいれば良い。もうないという状況はあんまりない。そういう視点で何のキャリア資産を身に付けたいのかっていうのはまさにどうしたいのかによりますね。自分がここを増やしましょうという話をしたんですけど、自分がどうなりたいかによって足りないものが見えてくるじゃないですか。その足りないものが今の会社で得られるかどうかという観点。あまり出世とか給料が上がるというような話はちょっと置いておいて。スキルの方で見たほうがいいんじゃないかなと。

市川

俺らのときはどっちかというと給与とか昇給というようなものでどうしても物差しがあったけれども、スキルという視点を入れると確かに見え方変わってくるね。

千葉

キャリアを資産として捉えるという考え方なんですよ。資産だから貯まるんですよ。ここではワークだけでなくプライベートも資産だと言っているのでそう考えると、まだまだ身に付けるものがありそうじゃないですか?資産と考えると給与とかがついてくるんですよ。自分の能力が上がるみたいな話なので。順番は逆でいいんじゃないかな。

そう考えると20代、30代のキャリア初期の時代は自分の引き出しをたくさん作っておくという感じですかね?会社でのキャリアとプライベートでの人材の繋がりとか?

千葉

そうそう。僕らの年代は会社100%。プライベートはほとんど何もありませんみたいに言う人もいっぱいいるんですよ。それは別に悪い話ではないです。仕事に100%全力コミットしてきた。だけどそういう人が定年を迎えるとアイデンティティの大半が会社だから、何をしていいか分からなくなっちゃうんですよ。これは右側のプライベートがないから。さすがにそうなるとキツイじゃないですか。明日からプライベート100%で過ごしてねと言われてもちょっとどうしていいか分からないみたいになっちゃうので。フレームをイメージしたときに、プライベート側も興味があるものは率先してやっておくというのは慌てなくても良いのかなと思います。

将来への貯金ということも言えますか?

千葉

そう、資産なので。

こっちが長けていて、こっちちょっととかじゃなくて、バランス良く?

千葉

100:0だとバランス悪いですよね。投資と一緒です。

西山さんこういう話を聞くと、私は20代ではないですけど自分が20代に戻った気持ちになってワクワクするんですけど、どうですか?

西山

今社会人が6年目になりましたけれども、もう1回、1年目からこのお話を4月の入社のときに聞いておきたかったなという。

市川

分かる。俺もやり直したいもん。ストックになるという感覚を持ってなかったから。奪われている感覚があったんだけれども。この本を読んで給与しか得るものがないという感覚からスキルをどんどん蓄積できるんだなっていうことを知ったっていうね。

50代でも40代でもまだ大丈夫ですか?

千葉

全然大丈夫で、今の時間の切り売りはこの図で言うと労働のブロックのときの時間の切り売りになるんですよね。だから上に上げましょうという話。自分で作れるようになるためにキャリアを蓄積していく。無駄じゃないですよ。これの積み重ねで上がっていくので。この段階で例えば副業とかすると本業と全く関係ないコンビニのバイトとか。これは時間の切り売りなんですけど。ビジネス創造資産のレベルが上がった段階で副業すると、これは自分のスキルが価値になるから、コンサルにしても時間の切り売りじゃないです。バリューに対してお金がもらえるから。単価も高くなる。上に上げるという意識を若いときほど持った方がいい。

それは仕事においても、プライベートにおいても同様に?

千葉

そうね。仕事が中心の人ほどプライベート側が少ないから。何か作らないといけないと思っちゃうでしょ。ワークキャリア思考なんですよ。こっち側はずっと続けていることとか、何か興味があることとか、何か必ずあるんですよ。そういうものを見つけるに近いです。そのなかで人に教えるくらい好きなものは特技なので、それは創造レベルでキャリア資産になっている。上に上げましょうという話。

上に上げることによって自分の人生も気持ちが上がっていくというところと平行しているのかもしれないですね。

千葉

やっぱり好きでやることになるので。仕事は自分で作り出して自分で出来た方が楽しいんじゃないですか。経験積んで脂がのった中堅になってくると1番仕事が楽しいというのは、ここが増えるからなんですよ。多分、市川さんのところは早く任せるから、早い年代でここの仕事が増えていくんです。若い人でもやりがいを持ってやれる。

市川

この本で納得できたのが、なんか違和感持ってたのが1年経たずに辞めたりとか。それは合う合わないがあると思うんですけど、それを繰り返している人がいるでしょ。それはここでずっとここに行けてない。それで30歳になる人もいるから。合う、合わないだけでどんどん転職しちゃって。

千葉

環境のせいにしたりしてると、どうしても転職しがちなんだけど。同じような理由で転職を繰り返すから蓄積しない。

20代、30代の方に向けてのメッセージ

ぜひ20代、30代の方で「なんか自分が生きていく世界が見つからないな」「変えてみよう」というのが続いている方とか、20代、30代で「どうやったらいいかな将来」と漠然とモヤモヤしている方は「ライフキャリア」をお買い求めいただいて、人生の指標として読んでいただけるとありがたいなという風に思います。20代、30代の方に向けて最後に一言メッセージを突然ですがお願いします。

千葉

本当に突然だね。多分僕らの時代に比べると今はすごく自由度の高い時代だなって思っていて。選択肢が広いんですよ。僕らの世代は大きな会社に入って終身雇用でみたいな世界だったけど、今ってありとあらゆる選択肢があって、就職もあるし、転職もあるし、起業もあるし、フリーランスもあるしすごい恵まれた時代だなという風に思ってるので。だからこそ自分が何がやりたいかとか、どうしたら良いかということをちゃんと考えて選んで行った方がいいんじゃないかなと思います。

素敵な言葉をいただきました。この時間キャリアデザインTV、10 Fields Factory株式会社 CEOの市川裕さん、そしてCHO最高人事責任者の西山香織さん、それから「ライフキャリア」の著者、千葉智之さんにお話を伺いました。ありがとうございました。