【キャリアオーナーシップの時代】
自分のキャリアを自分で舵取る方法
10 Fields Factory株式会社CEO 市川裕 × 10 Fields Factory株式会社CHO 西山香織
ライフキャリア著者 千葉智之 × フリーアナウンサー 岸則子
千葉
だからその中でずっと何十年もやってきたのに、最近になってキャリアは自分で舵を取らなきゃいけないみたいな。キャリアオーナーシップの時代だみたいなことを言われて。2つセットで見ると原理的にそれが分かってかつ腹落ちをする。 自分の原体験とかって学生時代にあることがすごく多いんですよ。
団塊ジュニア世代と言われている世代
市川
ちょうど今僕世代が会社大手の味の素とかでも部長クラスになっていくような感じなんだけれども、全員がやっぱり部長になれる訳じゃなくて。そこで抗争に負けちゃったなって感じてる世代の人達が結構大半で、5割くらいいけるの?感覚的に。そんないない?
千葉
銀行って1割でしょ。
市川
1割なんだ。
千葉
銀行は一番厳しくて、あとは全部出向なので。1割だから激烈なんですよ。メーカーとかも当然年功序列がまだ濃いところは上がってきますけど、やっぱり役職定年があるので55歳くらいでだいたい来るし、60歳までいったとしても、先が見えちゃうんですよ。ここら辺までだよねってなった時にゴールを見失うんですよね。アイデンティティが会社という人が結構多くて、僕らの年代は。だってそういう風にやれって言われてきたずっと。これが一番時代にフィットしていて、だからその中でずっと何十年もやってきたのに、最近になってキャリアは自分で舵を取らなきゃいけないみたいな、キャリアオーナーシップの時代だという事を言われて。トヨタの社長さんとかも、終身雇用はちょっと難しいですみたいな感じじゃないですか。だから自分で舵を取らなきゃいけないと思うんですけど、やった事がなから急にやれって言われても分からない。
西山
所謂、団塊ジュニア世代って言われている世代ですね。
市川
でもこの本を読んだらまだ間に合うって思えるからね。手遅れじゃないのよ。これからやもんな。
千葉
50歳でも60歳定年まで10年あるんですよ。65歳だったら15年あるんですよ。10年かけて出来ないことはないですから。というくらいのスパンで考えてもいい話かなと思います。
西山
この本では10年っていうのを想定してお話されていらっしゃいますよね?
千葉
そうですね。僕が50歳なんで。僕らの同年代に向けては10年くらい。若い人はもっと時間があるし。別に60歳でも全然これから始めても遅いってことはない。だって100年時代だったら40年あるので。いつまで元気かっていうのはありますけども、それでも何十年まだあるわけなので。
市川
俺らが20代の時の60歳の方と、今の60歳とはちょっと違うよね。そう思いたいのか分からないけど。
千葉
20歳くらいの差があるんですよ。やはりこれまでの世界って人生80年時代で設計されていて、今は100年じゃないですか。美容系の仕事でシンクタンクとかもやっているので調査とかいっぱいしているんですけど、50代の女性ってめっちゃ綺麗でしょ。
岸
まさにピンポイント。
千葉
芸能人だけじゃなくて世の中の女性も。昔の60代ってもっとおばあちゃんのイメージな訳ですよ。サザエさんのフネさんみたいな感じ。フネさん50歳だから、設定。割烹着着てますからね。なのでマイナス20歳くらいの感じだから。50歳と言っても、もう30代半ばくらいの感じのイメージになると思います。働く年数が定年も65歳くらいになるし、実際に働くのは75~80歳の人も結構出てくるんじゃないかなと思います。
岸
そう考えたときに、自分のこれからの人生をどうしようかって考えたら、後半に自分に当てはめるところがありますよね、ワークシート。
千葉
ワークシートがダウンロード出来るようになってます。
岸
ここで自分に当てはめて書き込んでいくと、自分の10年後とか将来を見据えたことが1歩踏み出せる。
千葉
多分棚卸しとかしたことないと思うんですよ。僕もそうでしたし。普段の生活をしていて棚卸しとかしないです。ましてや右側のプライベートの棚卸しとかほぼしないです。なぜかと言うとこれはキャリアじゃないから。ストレス発散とか暇つぶし的なものだったのが、今はこれを資産と捉えましょうという考え方なので。まず棚卸しをしようって書き出すんですけど、それがやったことのないことなので、その時点でかなり違う。
西山
自分と向き合うということをしたことない方が多いですよね。
千葉
多分、自己分析って就職の時くらい。必要に迫られてやるほとんどの人が。それまでやったこともないという感じじゃないですか。人生100年時代だとマルチサイクルなので、何回転もするってなった時に、まずは自分を知るってことをやらないとゴールとのギャップが見えない。
「ライフキャリア」はストーリーと解説の2部構成
市川
実際に使ってる研修のやつがこの付録で付いてるの?
千葉
そうです。なのでさっき言った通りストーリーと解説の2部構成にしたのは、あたかも自分が研修を受けているように疑似体験をして欲しかったのでストーリーにしたんですよ。解説だけだとちょっと眠くなっちゃう。会話調で進むので自分だったらどうだろうって考えながら、かつワークシートもダウンロード出来るようにしているので。自分で書きながらやっていくとちょっと違うかなと。
市川
バランス取れていてストーリーだけの本もあったりするけど、ストーリーがあった後に解説があるのですごく分かりやすくて。ストンと落ちてくるというか。
千葉
ストーリーだけの本だと理論か出来ないというか。フレームワークがないので体験談で終わっちゃうんですよ。一方で解説だけの本って言うのは理論は入ってくるんだけれども、腹落ちしないんですよ。ストーリーがないと共感値がないので。だから2つセットで見ると原理的にそれが分かってかつ腹落ちする。なので良いところ取りなんですけど、実はこれ2人で共著で書いていて。解説部分はもう1人の原尻さんという方が書かれたんですけど、ストーリー部分は僕が書いてるんですよ。初めて書いたのでめっちゃ大変でした。
市川
分かる。僕も本を書いていて、ストーリー仕立てはちょっとムズい。
千葉
ムズいんですよ。小説家でも何でもないので。
岸
一番最初に読んだとき、これ何回か読んでるんですけど。ストーリーにまずは食いつくんですよ、分かりやすいから。逆に理論の方は私の性格上、理論で細かく書かれるとあんまり入ってこないっていうところがあるんですけど。2回目読むと1回目で頭に入っているのでストーリーの次の解説の方がしっくり来るんです。読み進めるごとによって体に定着してくるというか、より分かるというか。読み応えがある。
千葉
ダメなところも言っていいからね。
岸
ダメなところ?え~
市川
学生の時から結構カリスマ性があったから、ともは。すごかったよね。学園サークルって色々な人に関わるんだけど、1冊目の本が「出会いの大学」っていう色々な人に人脈を作るっていう。学生の頃からやっていたからね。カリスマ性があって、言葉に説得力がある。サークルの今でも覚えてるんだけども、スキーツアーやる時に板をレンタルに含めるか含めないかの議論をしたときに、論破されて負けたからね。
岸
えー、市川さんを?
千葉
全然覚えてないけど。
市川
めっちゃ口立つし、負けました。
千葉
覚えてないです。
岸
このサークルで市川さん、次の代の千葉さんっていうのは別格だったんですよ。
市川
そんなことない。
千葉
ベロベロに酔い潰れてただけ。
岸
それも知ってますけど。でもその中で論破するっていうのを私見たかった。
市川
あまり向き合ってくれる後輩いなかったから。ともが付き合ってくれた。色々企画とかその頃からプランナーだったね。アイディア出すのがすごい得意。
千葉
楽しかったですね。
「ライフキャリア」ターゲットは?
西山
私もちらっと千葉さんを調べさせていただいた時に3台バスを貸し切ってスキーツアーをやったりとか、パーティーをしたりとかしてその利益で事務所を借りられたんですよね。
千葉
でもそれはまさに市川さんとか、その前の代の人たちが作ったモデルを踏襲したんです。だけど大学生にしてはやってましたね。事務所借りてたからね。
西山
当時Windowsがまだ出てないとき。
千葉
Faxだったから。
岸
20代の西山さんが聞いたら「いつの時代?」という感じですよね。
市川
原稿Faxで送ってたな。
千葉
ハサミで切って貼っていた。その頃から市川さんは起業家の片鱗が見えていた。
市川
ともには負けるなってずっと思ってた。他の大学とかでもすごい有名だったから。同じような企画サークル・・・、ボルケーノの・・・
岸
たかさん?
市川
たかだ。
岸
たかさんも起業されていますよね。
市川
メディア系だよね?
岸
メディア系です。
市川
たかにも会いたいよね。
岸
お笑い芸人さんも出てますしね。
市川
えっ誰?
千葉
アンガールズさんいましたね、ボルケーノにね。
市川
まじで?ボルケーノからなん?
千葉
僕らが4年のときに多分1年生。
西山
アンガールズさんってあの田中さん?
市川
ボルケーノのサークルに入ってたんだ。全然分からないよね。
西山
楽しいです、そんなお話。当時から自ら考えたりとか、アイディアを出して形にしたりということが大学時代からすごく好きだったっていうことなんですかね?
千葉
すごい楽しかったんですよ、それが。僕らの時って就職氷河期だったんですよ。色々な会社を受けて一番良い会社だった鹿島建設に入ったんですけど。仕事が飽きちゃって。丸9年くらいいたんですけど、やっぱりそのサークルの時の色々なフリーペーパー作ったり、色々な企画立てたのがやっぱり楽しかったから。転職したんですよメディア企業に。
市川
確かに大手ではあるけどちょっと、ともの性格からしたら真逆な感じはするよね。
千葉
なんで?って言われてましたからね。
西山
この時代ですね団塊ジュニア世代、私も色々調べさせていただいたのですが悲劇の世代と言われているらしくて。いくつかあるんですけれども1つ目が大学の志願者のほぼ半数が不合格。
千葉
非正規、フリーターが生まれた年。タイミング的に。
市川
俺ら世代ってずっとそんなんだからね。人数が多いから。
千葉
人数多く氷河期で非正規も多くずっと失われた30年になってるから。景気もどんどん悪くなりみたいな。
市川
泥仕合になって昇格できずみたな人達も自分たちの実力じゃなく昇格出来ない人たちがやっぱり出てくるもんね。
西山
すごく就職難な世代ということで、新卒の30%くらいが就職難民だったということもデータとしてあるみたいですね。ちなみにその時代に実は私が生まれてまして。
市川
なるほど。のりちゃんも1社目からアナウンサーだよね?
岸
そうです。受けたいと思って受けてたまたま受かったっていうのがきっかけだったんですけど、それから東京に出てそこからまたフリーランスで活動するっていうなかで、仕事をしていてちょっと興味があってやったことがそれから仕事に繋がったりとか。例えば落語にチャレンジする機会をいただいてそれが今度は仕事になったりとか。海外に行く機会があってそこで英語を勉強したら、英語を使った司会をっていうオファーをいただいたりとか。本当にプライベートとキャリアの仕事が色々コラボレーションしてやっているなって気はします。
西山
それはどこかで頭の中でリンクさせてるのかもしれないですよね。切り分けをしてなくて、常にプライベートと仕事というのを繋げている頭でいらっしゃるのかな。
岸
言われて今思い出しました。入社1年目に「プライベートはないよ」って言われたんです。プライベートもネタとして喋りに繋がるよという風に言われたので、最初はショックだったんですけど「えっ!プライベートない?」と思ったんですけど、確かにプライベートで経験したこととか、楽しかったことが喋りのネタになって仕事になっていくということで考えると、西山さんが仰ったようにそうかもしれません。
市川
のりちゃん立派になったね。サークルの時のイメージがあるから。
西山
サークルのときは?
市川
天然系でね。俺の妹も同じサークルで同級生で、俺の友達の岸っていう友達の奥さんなんですよ。めちゃめっちゃ繋がり深いみたいな。大きくなったな。立派になりましたね。
岸
これからもよろしくお願いします。
市川
お願いします。何の回だ?
西山
お話がちょっと脱線してしまったんですけれども、この「ライフキャリア」という本はターゲットとしては団塊世代ですか?
千葉
メインはそうですけど、多分どの世代でも使える本になっていて。なぜかと言うとフレームワークで便利な道具みたいなものなので。別に人を選ばないという感じですね。
市川
緊急度が高いのは50歳だけど、20代、30代に見ておいて欲しいなっていう感じでね。
千葉
相当良いと思う20代で知ってたら。
岸
出来れば小学校とか中学校とか、学校の授業で使って欲しい。
千葉
だから共著を書いている原尻さんって大学の先生もされているので、大学生に読ませようって言われてて。大学生ってまだ仕事してないじゃないですか。だから左側がないんですよ。だけど右のこの黄色の特技の部分の種を1つでも良いから何か作っておいた方がいいよという。確かに自分の原体験とかって学生時代にあることがすごく多いんですよ。僕も学生時代にやったことが楽しくて転職してたり。原体験と種は若いときに生まれることが多いので。逆に僕は大学の時とかは、仕事はもういくらでもできるのでこの後。学生時代は右側の部分、自分の興味のあることとか1つでも突き詰めておくと多分めちゃくちゃ後で役立つというか、生きてくるんじゃないかと。
船長の視点で選ぶ会社と乗組員の視点で選ぶ会社って全く変わってくる
西山
市川さんと私がお話するときに、ターニングポイントだったりとか、起業のきっかけは何ですか?と質問したときに、市川さんもやっぱりインカレサークルの件を絶対お話されるのでそれが今も繋がってるかなとそういう事かもしれないですね。
市川
学生時代を見ると就職する会社選びも少し変わりそうというかね。こういうの活かせる会社はどこだっていう視点で見るね。
千葉
僕らの時は終身雇用的な入ったらずっとみたいな感じだから。かつ自分で舵は取れないんですよ大きい会社は。どちらかというとその乗組員で、その中で上手く働くみたいな話じゃないですか。だからなるべく大きくて完全な会社の方がいいわけですよ。どうせ乗るなら大きい船の方が安全じゃないですか。でも今は自分で舵を取れって言われているから。大きい会社とか小さい会社というよりは舵を取るスキルが上がった方がいいですよね。全然選ぶ基準が変わってくるんですよ。だからこっちだど船員だけど、こっちだと船長さんなので。船長の視点で選ぶ会社と乗組員の視点で選ぶ会社って全く変わってくるので。なのでそういう意味では学生の時に知っておくと就職先も変わるかもしれないですね。
西山
「ライフキャリア」の本なんですけども、4月26日に発売されまして。Amazonさんとか楽天さんとか書店にも販売されておりますので是非みなさんチェックしてみて下さい。では、今回ゲストお二方来ていただきました。岸則子さんと千葉智之さんでした。本日はありがとうございました。