大手企業とベンチャー企業のメリット・デメリット
大ベテラン・大企業を勤め上げた田中さんと対談!

代表 市川 × 東京支店 田中

東京支店 田中さんの自己紹介

市川

今日は東京支店の田中さんにゲストとして来てもらいました。よろしくお願いします。

田中

よろしくお願いします。

市川

自己紹介をお願いします。

田中

田中司と申します。去年の9月からテンフィールズに参加させていただきまして、約四ヶ月になろうとしています。
前職は日本の総合電機メーカーに勤めておりまして、約35年日本の半導体の業界にずっと携わってまいりました。
半導体業界は非常に浮き沈みの激しいところで日本メーカー1社だけではたち行かず、M&A(吸収合併)を色々重ねてまいりまして。そういった中で荒波に揉まれながら35年間勤めてまいりました。

市川

さすが謙虚ですよね。
日本の総合メーカーって日立さんですよね。
日立さんを勤め上げてですよね。1社を勤め上げる方って今結構少ないですよ。
僕ら世代とかでも途中で転職したりしているのですけど。大手を勤め上げた方ってのは違うな、というのが今の僕の感想ですね。
コロナ禍でテンフィールズは非常に苦しみまして、売上が絶好調だったんですが、工事が出来なくて、それができるようになり倍の工事をしましょうという時に管理不足でいろいろトラブルが起きたんですよね。
私は味の素を28歳で辞めているので、何の役職も付いてなく係長も課長の部長も経験せずに会社に起こして20年経ってますので、勢いだけで守りがあ弱かったのだと。改めて僕も攻めは強いんですけど守りは弱いんですよ。
会社が僕と同じような弱さ。攻めは強いけど守りが弱い会社になってしまったので、そういったものを守ってもらおうという事で、2年前から大手を勤め上げた方に来ていただいている中での今回田中さんに来ていただいたという形です。

10Fields Factoryに来ての感想。大手企業とベンチャー企業は真逆!

市川

大手を勤め上げた中で全く真逆のベンチャーに生きてるわけなんですけども、全然違いますよね?
良いところがマイナスになりますし、マイナスがプラスになります真逆というか率直な感想はどんな感じですかね?

田中

前職の場合は入社して2年は一人前として認められませんでした。
「余人をもって代えがたし」の逆で誰に変わってもその組織が運営されるように鍛えられるって言うところがありました。
ですから、まずは会社の色に染まるというかそういったところが大半でしたね。
そういった点で基礎体力を身につけるというのが、初めの数年要求されていたことでした。
その一方でテンフィールズの場合は、その個々人が持っているカラーというのを活かして、それを前面に出すということが要求される、認められる。個人の資質を肯定的に捉えられているのが大きなカルチャーショックでした。

市川

ウチの場合もう2年目一人前ですもんね。それこそ「はやと」とかは3年目になるのかな。

田中

彼は2年目ですかね。

市川

2年目ですかね、今度3年目ですよね、もう仕切ってやってますもんね。なくてはならない存在ですよね。

田中

頼もしい限りです。

市川

それが良さでもあり、弱点でもウチの場合はあったというか。
若手に大事な仕事をやらせたのですけど、一方で平均値が少ないので、トラブルが起きた時の対応力というものは経験的が無さすぎて。うちの弱いところだったと思うのですけど、田中さんに来ていただいて守ってくれるお父さんがいるみたいな。
自分が最前線で後ろに誰もいないではないので、ちゃんと大将がいてくれるという心の安心感であったりとか。
そういうトラブルの時に相談して答えを出すっていうことが正直今までウチはできてなかったんですね。トラブル時の連絡先が僕しかいなかったんですよ。全員が僕と繋がってて。 マネージャーも若くて。相談を受けて困って僕の方に来て、そういう処理をずっとしてたんですけど限界ありますよね。
これだけ組織が大きくなってくるとそういう意味で本当に頼もしく感じてます。
入っていただいて4カ月ですけど全然変わったかなという。

田中

ありがとうございます。

市川

みんなが落ち着きを取り戻したといいますか、どうしたらいいか分からないところから、脱却しているかなと感じます。

上司との垣根はあった?大手企業時代の距離感とは?

市川

田中さんみたいに来てもらってる方がタイさんですね。
小松製作所の執行役員だったタイさんにCOOとしてやってもらっていますし。
あとビジネスデザイン事業部の姫島さん元シャープ株式会社ですね。
ファーム事業部の竹村さん。靴下の会社の役員された方なんですよね。
東京支店では今唯一ですもんね。

田中

そうですね。

市川

本社(京都)には結構いらっしゃるんですけど。
あとクラフトビール事業の巽さんはそういった形で入ってきてはないんですけど。

田中

あと石橋さんもそうですね。

市川

施工管理部の石橋さん元パナソニック株式会社ですね。
石橋さん入っていただいて2ヶ月経つか経たないか思うんですけど、技術畑でずっとやられていて、これから活躍していただけないかなと思います。
パナソニック・シャープ・日立 家電系が揃いましたね。
なぜか家電系。KOMATSUの重機が揃ったみたいな感じですね。
そういった方たちに来ていただけるのはすごくありがたいです。

田中

私としても息子と同年代の方々なので。意味でも悪い意味でも色々な話をしています。

市川

それも味の素時代にはなかったと言いますかどこの組織でもそうだと思うんですけど。
田中さんクラスの方と若手がしゃべるっていうのが、ちょっと組織によって違うと思うんですけど、日立時代は垣根なかったですか?

田中

ありましたね。私の時には、担当の時というのは席が数メートル離れてる課長に対しても、おそらく6ヶ月に1回あるいは2回ぐらいの会話の機会しかありませんでした。
ましてや奥に座っている部長ともなると、本当に年に数えるほどでしたね。

市川

会話することはあるとしても教えてもらうとか普段の相談できるっていうのはないので、今うちそれが出来てるのがすごくありがたいなという。僕でも、味の素で教えてもらえなかったことを直接教えてもらえる若手がね、結構僕羨ましいんですよ。

田中

意見交換を通じてなんか作り上げるっていうのはテンフィールズの特色かなと思ってます。一方的に意見を押し付けるということは全くありませんので、そういうところでやっぱり自由闊達さを感じますね。

ベンチャー企業におけるベテランの役割は?

市川

テンフィールズだけの問題ではなくて、僕が今日本の問題と思ってるのですね、大手さんが60で勤めた方を手放してらっしゃるというのが、宝を放出してらっしゃるなってすごく思ってまして。
高度成長の時に60歳の方って、おじいさんではないですけど、結構年配なイメージがすごくあったんですけど。寿命も延びて100歳まで生きる方結構いらっしゃる人生100年時代になって。
60歳ってまだ道半ばですよね。僕も今50ですけど全然衰えを感じない。
体力的に落ちているんですけど、頭的なものっていうのは衰えてない。むしろ長けてきてる感じがあるんですよね。
体力的には衰えると思うんですよ。頭的にはどうですか?

田中

衰えに気がついてないっていうところがあるかもしれませんけども。諸先輩を見ているとまだまだやらなくちゃいけないなあっていうのは感じますね。

市川

昔は体力勝負の仕事も結構たくさんあったと思うんですよ。今すごくIT化が進んで頭を使って生産性を上げるっていうことがすごく大部分を占めていますし、そちらの方にシフトしないといけないと思ってますので、まさに本当に田中さんみたいな方に活躍してもらわないといけないし、活躍するステージを用意すべきなんじゃないかなっていうのは思ってまして。
大手さんのほうはそういう手放しでいらっしゃいますけど、ベンチャー中心に必ず必要としていると思いますので、子会社の天下り先みたいな感じでね、行くパターンもあると思うんですけど。
今まで培ったものを若手にね、教えてもらって自由なステージで遊んでもらうじゃないですけどね。活躍してもらうってのがすごくいいんじゃないかなと思いますね。

田中

今も遊ぶという言葉は非常によく表していると思います。
枠にはめて、ある一定のタイプの人間を作り上げるんじゃなくて、そこらへんの自由さっていうのはこれだけいろんなタイプの人たちがいますので、それぞれのやっぱり強みを生かしながら、組織としてもうまく運営しながら、事業として伸ばしていくっていうのは魅力的には感じています。

市川

昨日もご一緒してね、千葉まで。

田中

途中電車の方向間違えましたね。

市川

おかげで色々お話できましたもんね。
今、僕は奈良に住んでて。会社は京都で、千葉に旅行で行くっていう感覚はないですけど、仕事だったら行きますし。行った先も旅行先で行くような場所じゃないですもんね。
地元の会社さんとお話ししまして、社長様とお話しして意見交換もできましたしね。
ああ言ったことができるのは本当に仕事の面白みだなと思うし、僕と田中さんは10歳しかまだ差がないですけど、そこに20代の子がいて、自分の話をできるのは本当に楽しいなって思いますね。

田中

昨日の市役所の方々との打ち合わせの時に、市川さんが「懐かしい感じだな」とおっしゃいましたけど、私は以前は向こうに近い組織のタイプに属していたんだなあっていうのはやっぱり感じましたね。

市川

なかなか決まらないというかね。誰が権限を持ってるかもなかなか分からなくて、ちょっと懐かしい感じだなと思いながらね。ウチはそういう自由な感じだったんですけど。
今こそ大手さんのような組織作りをして行くタイミングだとは思ってますので、今までほんとサークルみたいな感じがありました。
僕より年上の方はあんまり入れてなかったですし。だからこその弱みと言いますか。組織にも関わらず世代が偏っていたとていうのはすごくあると思うんですね。
男女比というのはすごく意識してたんですけど、若手の方に活躍して欲しいというのがすごくあったんですよ。
それを実現してきたつもりなんですね。それはもう達成できた。でも一方で攻められた時の弱さというかね。
そういったものを固めていただきたいのと、僕も教えてましたけど、やっぱりやりながら学んでいくことを教えてるんですけど、経験は逆転できないので。
日立さんに何年いらっしゃったんですかね?

田中

35年近いですね。

市川

それはもう誰も抜けないですもんね35年経たないと経験できないんですね。
それを先に教えていただけたりとか、若い子たちも今はわかるんですけど、昔のことを知らないというか。ビジネスってやっぱり両方必要だと思うんですよね。
今も大事だし、過去も大事で未来も大事。
過去をやっぱり伝えていただける方っていうのも必要ですしね。

田中

時代が変わっても、もちろんいろんなことが変わってますけど、変わっていない点ももしかしたらあるのかもしれない。
もしそれが活用できるのであれば、私たちは縁の下の力持ちとして支えていければなと思ってますね。それがやっぱりテンフィールズの社会的な信頼っていうものに繋がっているのであれば、最高だと思います。

市川

最近商談とかで来ていただくとき今まで僕一人で。信頼度が僕1人の信頼度で、あとは若手みたいな形だったのが、田中さんのような方に来ていただくと相手も信用していただけますし。
実は商談もやりやすくなってるんです。ほんとにありがたいなあっていうか。
違うなと思うのは資料作りとかもすごく調べて。若い子は言われたことだけっていう子はすごく多いじゃないですか。
田中さんの場合って、言われたことだけじゃなくて必要としているものもご自身調べていただいて資料を作っていただけるので、教えていただけるっていうのは非常に助かってます。
今まで教えてもらう方達っていうのはほとんどいなかったので、それが田中さんみたいな方たちに来ていただくと、僕もすごく成長してるな、とこの1、2年思っています。ありがたいなと思います。

これからの高齢者雇用について

市川

この世代の方たちの活躍の場ってもちろん会社だけの問題ですね、国を上げてというかね、本当にやるべきだと思うんですよね。同世代の方って引退されていらっしゃいます?

田中

まだ続けてますね。まあ再雇用というよりも、私のように新たなチャレンジ・フィールドを求めている人の方が多いですね。大手企業に入っていると力がつくのは間違いないので。
大手さんって組織作りがすばらしいというか誰がやってもある意味できる仕組みができてるわけですから、そこで培った力というものを発揮できる環境ではなっちゃうと思うんですね。
いろんながんじがらみとか安心安全とかね、日立さんが中途半端な商品作りするわけにいかないですから「こういうのできたらいいよね」っていうものがベンチャーでは実現できたりするので、そういった形で活躍していただければなというステージがね、もっとできてほしいなあと思いますね。
懐の広い若い企業が、やっぱりある程度経験を積んだ人間を必要とするフィールドを提起してくれると、まだまだ活躍できる人っていうのは多くいると思います。

市川

ぜひね、あのベンチャーの門も叩いてもらえばなと思いますし。社長様で見てらっしゃる方がいらっしゃったら、僕みたいなこうベンチャーで年配の方を入れることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれないんですけど、もちろん人は選ばないといけない。
田中さんは見ての通りすごい優しいですし、一方であのタイさんとか剛腕ですよね。
さすが執行役員で、6万人の頂点に立ったような人ですから。
なんですけどでもやっぱ立ててくれますし、でも遠慮なく言ってくれるとすごく有難いんですよ。結構バチバチすることもあるんですけど、守りと攻めのところなんで僕は攻めて守ってくれる。
たまに被るんですよね。そこが意見が合わなかったりするんですけど、いろんな方たちが来ていただいているので、本当ありがたいなと思っています。

田中

私たちでも、同世代の方々とまたお話ができるっていうのはまた別の刺激なんです。

市川

東京支店にも来ていただきたいですね。役割はいっぱいありますのでね。
マネージャーを支えてもらったりとかですね、知見を生かしていただくようなポジショニングとかたくさんありますし。テンフィールズは来ていただいてから役職とかね、部署考えるってのはありますので、ぜひお声かけていただければなと思います。